関宿、日本三関に数えられた東海道四十七番宿場を歩く

関宿は江戸時代の本陣から旅籠、高札が存在する唯一の宿場町です。

一歩足を踏み入れると江戸時代にタイムスリップしたかと錯覚を起こさせるような家並みが続きます。

関宿には今も人の暮らしがあるからこそ落ち着いた風情の街並みがある

歌川広重の浮世絵で知られる東海道五十三次の宿場町が今も残っています。

それが、三重県亀山市の一角にある東海道四十七番宿場の関宿です。

旧東海道の宿場町のほとんどが旧態をとどめない中にあって、鈴鹿山脈の麓にある関宿は江戸時代から続く街並みがそのままの形で温存されています。

古代より交通の要衝であった関は、672年の壬申の乱ではじめて歴史に登場しました。

中世は伊勢平氏の流れを汲む豪族関氏の所領となり、1583年に14代関盛信が道路改修に着手します。

そのときに地蔵院を中心にした現在の街並みの基盤が整いました。

江戸の参勤交代では、街道をはさんで向かい合って建つ川北、伊藤の両本陣に数々の大名が宿泊していました。

現在川北本陣は跡地に石碑だけが残っていますが、伊藤本陣は電気店として残っています。

関郵便局前には、復元された高札場があります。

法令や通告を板面に記して掲げた高札所です。

町の東端「東追分」に大鳥居、西端「西追分」には石柱が今も残り、かつて往来する人で賑わった昔を想像させます。

関宿は歴史が古くて交通の要衝だっただけに、見どころがたくさんあります。

戦国の武将たちも足跡を残しています。

徳川家康が柿を取って食べた権現柿は瑞光寺の境内に、織田信長の三男の信孝も菩提寺は福蔵寺です。

関宿はゆったり見て3~4時間程度で端から端まで歩ける広さなどで一人旅にはちょうどいいです。

関宿には目障りな電柱と電線がありません。

一部は地下に埋めるなど、移設しています。

電柱や電線がないだけで景観はずっとよくなります。

こういった独特の街並みを保存しようという機運が高まってから約30年ほど経っています。

しかし、関宿は観光地としてほどほどにしています。

それは住民の暮らしが関宿にはあるからです。

関宿は大規模に観光地として開発されることはないようです。

時には住民の車も通りますが、のんびりと、ゆっくり昔を懐かしみながら、街並みを散策してみてください。

道で出会う方はていねいに挨拶を交わしてくれます。

見知らぬあなたに対してもきっと同様です。

江戸時代の建物のなかに現代人の暮らしがある落ち着いた町、それが関宿の最大の特徴です。

古い町にまつわる2つの伝説「関の地蔵」「関の小万」

関宿には1000年以上の歴史を持つ町ならではの、さまざまな伝説が残っています。

関の地蔵

町の人から「関の地蔵さん」と親しみを込めて呼ばれる地蔵院は鎌倉時代の高僧、一休宗純の逸話でも知られています。

頓智の一休さんのことです。

多くの村人が高熱でうなされている時、救いを求められた一休和尚は、村人に自ら詠んだ歌を三回唱えさせ、さらにこれを地蔵の首に巻いて拝みなさいと自らのふんどしを渡されました。

すると奇跡が起こり、熱が下がりました。

それが全国に伝わり、どこのお地蔵さんの首にも赤い涎掛けが巻かれるようになりました。

関の小万

関宿にまつわる有名な俗謡もあります。

鈴鹿馬子唄で謡われる「関の小万」です。

九州の久留米から夫の仇を討ちに来た身重の妻が、旅籠山田屋の前で行き倒れました。

その娘小万が亡き母の意志を継いで仇討ちを果たし、本懐を遂げる話です。

小万ゆかりの場所は数多くあります。

関宿の東の入り口手前には小万がもたれかかって身を隠したといわれる「小万のもたれ松」があり、その墓と記念碑は会津屋近くの福蔵寺境内に立っています。

竈で炊いたおこわの味を受け継いでいく母と娘

母の志を受け継ぐ娘、小万は旅籠の山田屋から屋号を変え、会津屋という郷土料理店になってここ関宿に息づいています。

会津屋のおこわは、天然木で栽培された干椎茸を水に戻してとるダシと地下天然水を使うのが秘伝です。

昔ながらの竈で炊き上げているので、会津屋のおこわは特別に手間がかかります。

会津屋の娘さんも受け継がれているこの味を守っていきたいと、日々の郷土料理研究に勤しんでいます。

一人旅で行ってみたい 関宿のスポット

関の地蔵院

一休禅師とゆかりも深く、「関の地蔵に振袖着せて、奈良の大仏婿に取ろ」の俗謡で名高いのが関地蔵院です。

天平13年(741)行基菩薩の開創と伝えられていて、近郷の人々に加え、東海道を旅する人々の信仰を集め、現在でも多くの参拝者で賑わっています。

また、境内の本堂、鐘楼、愛染道の3棟が国の重要文化財(建造物)に指定されています。

旅籠玉屋歴史資料館

関宿旅籠玉屋歴史資料館は、市文化財に指定されている江戸時代の貴重な旅籠建築を修復し、旅籠で使われていた道具や歴史資料が展示してあります。

旅籠とは、江戸時代に武士や一般庶民が利用していた旅の宿です。

その中でも玉屋は「関で泊まるなら鶴屋か玉屋、まだも泊まるなら会津屋か」と謡われたほどの、関宿を代表する大旅籠のひとつでした。

現在は修復され関宿旅籠玉屋歴史資料館となり、江戸時代の貴重な旅籠建築として、亀山市文化財に指定されています。

関宿旅籠玉屋歴史資料館内部には、当時使われていた食器やお膳類、庶民の旅に関係する歴史資料や歌川広重の浮世絵などが展示されています。

日本最初の旅籠資料館として、関宿の歴史的な町並みとともに訪れる人々を江戸時代の旅の世界へ案内してくれます。

関まちなみ資料館

江戸時代末期に建てられた関宿を代表する町屋建築のひとつです。

風通しを良くするために障子の部分だけが外すことができる工夫など、昔の知恵が窺えます。

亀山市関町の文化財・歴史資料の展示・町並み保存事業による、関宿の町並みの移り変わりを写真展示しています。

関の戸(深川屋)

「関の戸」は東海道53次の内47番目の宿場町「関宿」で約370年以上作り続けられているおもち菓子です。

寛永年間初代、服部伊予保重により考案創業され作り続けられている銘菓です。

餅菓子で、赤小豆の漉餡を白い求肥皮で包み、その上を阿波特産の和三盆でまぶしてあります。

その姿は鈴鹿の嶺に積る白雪をなぞらえたと伝えられています。

一人で泊まれる関宿の宿

磨洞温泉 涼風荘

一面に広がる田園風景の中に佇んでいるのが涼風荘です。

この辺りには磨き砂を採取するために掘られた洞窟が点在しています。

季節によっては部屋の外に蛍の姿が見られるほど自然を満喫できる「一人でも泊まれる宿」です。

涼風荘には大浴場の「高虎の湯」と「お市の湯」、貸し切り洞窟風呂の「山賊の湯」と「海賊の湯」があります。

一人旅では大浴場よりも貸し切りの洞窟風呂の方が旅を満喫できると思います。

「松坂肉と伊勢湾の幸プラン」の貸切洞窟風呂をセットにしたプランがオススメです。

全国の”昔の面影が残る”宿場町

大内宿(福島県下郷町)

大内宿は会津若松と日光今市を結ぶ街道にある宿場町です。

古くは、豊臣秀吉も通った街道としても知られ、会津から江戸に入る最短ルートとして歴史的のも重要な道でした。

約40件ほどの茅葺き民家が通りを連ねていますが、どの家もおよそ百坪の屋敷面積に建てられていて、どっしりと構えています。

軒下には民芸品や特産物が所狭しと並べられています。

雪が積っても人が通れるように街道の道幅は広くなっています。

佐原宿(千葉県香取市)

成田空港から車で30分に位置する佐原宿は、街道沿いの宿場町ではなく、川沿いの商家町として栄えました。

小野川に舟が浮かび、かつては、醤油の原料の大豆を運び、名物の醤油を江戸に送っていました。

白壁の蔵と木造の日本家屋が川沿いに並んでいます。

小野川沿いに立地する醤油屋が始めた佃煮屋「いかだ焼本舗 正上」は寛政12年の創業です。

現在では水上循環バスの観光に人気が集まっています。

下諏訪宿(長野県諏訪郡下諏訪町)

甲州道中の終点で、かつ中山道と合流していた下諏訪宿は、中山道の中でもっとも栄えた宿場町です。

諏訪大社の近くで、しかも温泉があることで人気を集めました。

道沿いに三つの源泉があり、殿様しか入れなかった「児湯」が今も「遊泉ハウス児湯」として残っています。

下諏訪宿本陣は、当時のままの姿で保存されています。

旅人をもてなす茶屋として諏訪湖で取れた魚などを提供していた甲州道中の屋敷「政屋」もあります。

五條宿(奈良県五條市新町)

江戸時代の五條は、奈良へ続く河内街道、下街道、伊勢街道、西熊野街道と紀州街道と五つの街道を束ねる交通の要所でした。

全国でもっとも古い町並みといわれる五條市新町通りは簡素ですが美しい江戸の商家を残しています。

その中でも栗山邸は、建築年数の分かっている建物で一番古い民家とされています。

五條は古くから和菓子の町としても栄えています。

出雲街道新庄宿(岡山県真庭郡新庄村)

姫路と松江を結ぶ出雲街道には、21の宿場がありました。

新庄宿は、そのうちのひとつです。

街道一の難所四十曲峠のふもとにあり、松江藩本陣や日露戦争戦勝記念館「がいせん桜」で知られています。

がいせん桜通りのほぼ中央に雲州候本陣跡があり、石州瓦とまなこ壁が印象的です。

桜並木の両側に、幅60センチ、長さ500メートルの生活用水路があり、鯉も泳いでします。

日本の音風景百選にも選定されています。

まとめ

江戸時代の面影のある宿場町は、女性の一人旅ではもっとも絵になるスポットです。

落ち着いたいでたちで歴史散策をすれば、遠い昔にタイムスリップした気分になれます。

日常を忘れ歴史が息づく町に一歩足を踏み入れてみてはいかがでしょうか。

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